すでにpi starについては導入/運用方法について解説記事が紹介されている.。
一方で自分が愛用しているWPSDについては、公式ページに英文のドキュメントがあるが、手っ取り早く使うにはちょっと敷居が高い。
そこでMMDVMの制御のためWPSDを導入する方法、私の様にpi starを使用していた方々がWPSDを活用できるように、特に自分が試行錯誤したり調べものをしたりした部分を重点的に書き記すことにした。
本稿の想定とか事前準備など
(1)MMDVM
Aliexpressで売っているMMDVM基板。当方では2種類を混在して使用している。
アンテナ2本のDuplex可能なもの・・・Raspberry Pi 3に載せて使用
アンテナ1本のSimplex用・・・・・・Raspberry Pi zero-Wに載せて使用
どちらの基盤にもOLEDが搭載されており、pi starでも正常動作し画面が表示されていた。
※1 Raspberry Pi zero-Wにはmicro-USB~Ethernetアダプタを刺して有線で使用している
※2 検証していないが、筐体に入って一体型となったHot-spotはRaspberry Pi zero-WにSimplex用MMDVMを搭載したものと推定してます。内部のPi zero-WにWPSDのイメージを書いたmicro-SD(後述)を挿入すれば移行できる筈。
(2)DMR
中華機"Baofeng DR-1801"をダミーロードで運用している。本記事では、DMRからの利用について書く。DMRの設定は別稿を参照。(MMDVM+WPSDは、D-star、Yaesu Fusion、M17、P25等等を利用できるが、本記事では取り上げない。)
(3)アカウント取得
以下のアカウントをそれぞれのリンク先で取得する
DMR-IDとNXDN-IDはRadio ID Signupから(免許状の画像が必要)
BrandMeisterはBrandMeister-Signupに(DMR-IDが必要)
TGIFはTGIF-Registarに(コールサインでDMR-IDが必要)
以上の下準備をWPSDの導入前に済ませておく。
※pi-starを使われていた方は(1)(2)(3)は済と思います。
イメージの準備
準備するもの
(1)miniSDカード 8GB必須とのこと。今回、ドラレコ用の常備品の32GBを適用
(2)USB~miniSDカードアダプタ
(3)SDcardFormatter
(4)Win32Disk Imager(登先生版)*
(5)*.xzを解凍するアプリケーション(LHaForgeなど)*
*(4)(5)はRaspiOSImagerを使うと簡単、Mac/Linuxでも対応可。
これらを事前にPCに導入しておく。
WPSDの公式ページに行き、WPSDのDebian12のイメージである、 "WPSD_RPi-Bookworm_Latest.img.xz"をダウンロードする。
ダウンロードしたファイルをWin32DiskImagerで指定し、miniSDに書き込む。
Wifiで接続しようとするときには、ここでwpa_supplicant.confを生成し、ダウンロードする。bootで見えるドライブにwpa_supplicant.confなるファイルを保存する。(Ethernetで接続するときはこの作業は不要。)
書き込んだminiSDをMMDVMを搭載したRasberry PIに挿入し、電源を入れる。初回は時間がかかるので10分ほど放置した。
pi-starに割り振られたIPアドレスを調べるには、Raspberry PiにHDMIモニターを接続し、さらにキーボードを繋げてコンソールを監視できるのがベストではある。無い場合はルータやLAN内のアドレスをスキャンするソフト/アプリが必要となる。
WPSDにコンソールからログインするにはpi-star同様、
ユーザ:pi-star
パスワード:raspberry
WPSDにログインできる。Webブラウザからは、WPSDのIPアドレスを指定してログイン可能。
なお、pi starで初回ログイン時に、ファイルシステムをread onlyから書き込み可能とするコマンド(pistar-rw)を発出したが、WPSDでは必要ない。
初期設定(Cofig画面)
WebブラウザからWPSDにログインするにはコンソールからと同様、
ユーザ:pi-star
パスワード:raspberry
としてログインし設定を開始する。
の指定方法はpi-star同様である。
Frequencyは全電波形式のバンドに設定する。
Modem Typeは
アンテナ2本のMMDVM:MMDVM_HS_Dual_Band for Pi (GPIO)
アンテナ1本のMMDVM:STM-32-DVM / MMDVM_HS - Raspberry Pi Hat (GPIO)
をそれぞれ選択し、無事に動作している。
Modem Portは/dev/ttyAMA0 (Raspberry Piの基盤にGPIOで接続)を指定。
Baud Rateは115200とする。
次はMMDVMノードをaprs.fiに表示する設定。
緯度/軽度はgoogle map上でクリックして得られる座標(度分秒)をWebサイトで小数点に変換するなどしてLatitude(緯度)Longtitude(経度)を書き込む。
※個人的にはAPRS GatewayのスイッチはOFFで良いと思います。
これまたpi-star同様に
Town/Countryには市県+Japanを、URLには通例としてQRZ.comのURLを記載する。
次に使用するMMDVMが使用するモードを指定。DMRを使用するので"DMR Mode"のみスイッチをONにする。
※"DMR2YSF"のクロスモードを使用するときには"DMR2YSF"のスイッチも併せてONにする。
MMDVM上のOLED設定
MMDVM Display Type:"OLED Type 3" "/dev/ttyAMA0"
Nextion Display Settings:"G4KLX"
を選択し、MMDVM上のOLEDが動作する。OLED Display Optionsはお好みで。
WPSDの「導入」は以上である。
引き続き、WPSDでDMRネットワークにて「運用」する方法について纏める。
(2024年8月24日 記)
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